愛知県名古屋市天白区の鍼灸院、大根治療院です。
今回は、男性不妊・コロナ後遺症による嗅覚障害などの症状で当院に通われていた患者様の鍼灸治療症例をまとめさせていただきます。
通院を悩まれている方の参考になれば幸いです。
1.これまでの経緯
30代・男性
1ヶ月ほど前にコロナウイルスに感染、その後嗅覚障害があらわれる。
奥様の不妊治療の際に、旦那様も検査をしてみてはと言われたそうで泌尿器科を受診。
検査をしたところ、精子の量・運動率が基準値より大幅に減少していることがわかったそうです。
男性不妊とコロナ後遺症を改善できる治療法を探しておられた結果、当院を見つけて来院されました。
2.鍼灸院としての診断と治療方針
鍼灸院としての診断
患者様の脈とお腹の状態を拝見したところ、コロナウイルスの影響で「肺」「腎」「肝」に弱りがみられました。
コロナウイルスに感染したあと、表面的には症状が無くなりウイルスが死滅したように見えますが、全身の細胞たちはコロナウイルスにより深く傷ついており、ウイルスの死骸も体に残ったままです。
そのため、傷ついた細胞・神経が影響してコロナ後遺症として症状が現れてしまうと考えられます。
人間の細胞はおよそ120日ですべてが入れ替わりますので、その間にいかにウイルスの死骸を追い出し、体の免疫力を強化して正常な状態に持っていくかが回復のカギとなります。
また、不妊に関してもお身体の状態をみさせていただいたところ、コロナ後遺症により引き起こされている可能性が高いものと思われました。
治療のポイント
治療では主に、五臓六腑のなかの「腎」(西洋医学的には腎臓にあたる、東洋医学の概念的な部位)と「肝」(西洋医学的には肝臓にあたる)の弱りを補うことを重点といたしました。
東洋医学的に「肝」と「腎」は生殖機能を担う大切な体の部位です。
適応するツボを脈をみて確認し、毎回いちばんお体に合うツボに痛くないはりを施しました。
また、お身体にわずかに残ったコロナウィルスの残骸を体外へ早く排出するべく
体全体の免疫力・自然治癒力を高める治療を行いました。
体の免疫力が低下したままの状態を放置してしまうと、傷ついた細胞・神経の回復がスムーズに行えないため、コロナ後遺症の症状が慢性化してしまいます。
幸い、この患者様はコロナ後遺症を発症されてから日が浅かったため、約3ヶ月ほどで症状が改善されました。
症状が慢性化してしまうと、鍼灸治療でも元の状態まで回復させるまでにかなりの時間を要してしまいます。
辛い症状を我慢せずに、なるべく早期に後遺症の治療を開始することが完治への近道となるのです。
3.治療の経過と結果
定期的な通院に合わせて、ご自宅で行っていただくセルフケアとして「熱くないお灸」のやり方をお伝えいたしました。
お灸は不妊症の症状にとても効果があります。そのため、1日何度かお灸を行っていただくようお願いしました。
週1ペースの通院で、約2ヶ月で精子の運動率と量が正常値に戻ったとのことでした。
その後も通院を続けられて、約3ヶ月でコロナ後遺症による嗅覚障害も改善されたため治療を終了しました。
4.当院のコロナ後遺症に対する鍼灸治療について
最近では医師から、「鍼治療を試してみたら?」と、言われて来院される患者さんもいらっしゃいます。
当院での男性不妊やコロナ後遺症に対する鍼灸治療内容といたしましては、
✔造精機能をつかさどる「腎」「肝」のはたらきを強化する
✔それぞれの症状に対して即効性のあるツボに痛くないはり・熱くないお灸を施すことにより症状を緩和
✔免疫系に作用する鍼で自己免疫機能を高め、症状の根本改善をはかる
⇒当院の行う「脈診流経絡治療」(みゃくしんりゅうけいらくちりょう)は、筋肉系の痛みに対する治療だけでなく、自律神経や内臓系の疾患・精神疾患・不妊症・コロ後遺症など幅広い疾患に適応しています。
一般的な鍼灸院と違い、対症療法ではなく根本改善をしていきます。
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